このような時代だからこそ考えてみませんか「接遇」について

医療はサービス業ではないのに、どうして接遇研修なんて必要なの?

人とメディケア研究所 箕輪由紀子

医療が「サービス」として公的に取り上げられたのは、25年も前のことです。厚生労働省の1995年度版厚生白書に明記されました。この後10年経った頃から私は医療・介護業界で接遇研修を始めました。

当初は、「医療はサービス業ではないのに、どうして接遇研修なんて必要なの?」とドクターに質問されることがありました。

今ではそのようなことはありませんが、サービス業とはいえ、行くのが楽しみな遊園地やホテルと同じではありません。では、医療界で「接遇」はなぜ必要なのでしょうか?その理由は3つあると私は考えます。

1)一般的なサービス業とは違い、病院は患者さまが楽しみにいらっしゃるところではありません。不安な気持ちでいらした方に、まず安心感を与える応対が必要です。やはり第一印象で、「この病院に来てよかった」と感じていただけるところから始まります。


2)患者さまと良好な関係を築くことが、適切な治療につながるからです。症状や既往歴など、多くの情報が必要となりますが、患者さまが医師や看護師に不安感や不信感を持っていると、正直なことを伝えないことがあります。逆に治療上、「ああしてください。これはしないでください」など、医療者からの依頼もときとして聞き入れてくださらないことがあります。そうなると、より良い治療ができなくなるのは、当然のことと言えるでしょう。


3)判断しやすいからです。たとえば、飲食店では多少店員さんのサービスに難があっても、とびきり美味しいものが提供されれば、サービスには目をつぶることがあります。しかし、病院では、テレビで取り上げられるようなスーパードクターは別にして、一般的に評判や判断は、病院職員の応対で判断されます。「あの先生は、こちらの話をきちんと聞いてくれる」「受付の人は、優しい笑顔で丁寧な言葉づかいだ」「看護師さんは、わがままなおばあちゃんの面倒を嫌な顔ひとつせずにみてくれる」「あそこの受付の人は、怖い顔をしてこちらが挨拶しても挨拶もしない」「看護師さんのお化粧は濃いし、白衣も汚れていて清潔感がないけど、大丈夫かしら」などと患者さま・ご家族は思っています。また、医師の場合、不測の事態に、「訴えるぞ」と「この先生、一生懸命してくれたから」とに分かれる理由は明らかです。

外来患者数が減ってきたら、職員の接遇を見直してみるのは大切なポイントです。


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