パワハラ防止法施行で組織に求められること

“今、ここ”にいる自分、に気づく

人とメディケア研究所 箕輪由紀子

改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が2020年6月に大企業で施行されました(中小企業では2022年4月)。医療機関もパワハラ防止体制を構築する義務が生じるのは、一般企業と同じです。パワハラ防止の研修は以前から実施しておりますが、パワハラをしているとされる方たちは、その認識がない場合が多いと言えます。

私たちは他の人々と何らかの関係をもって生活をしている場合がほとんどです。その対人関係の中で、充実感や生きがい、共感の喜びなどを感じ取れるような関わり合いを持つこともありますが、逆に不安や不愉快さ、あと味の悪さなどを感じてしまうこともあります。できれば良い人間関係を築きたいと思いながら、こじれた関係となってしまうことがあります。そのような結果を引き起こしている大きな原因のひとつが“今、ここ”にいる自分について、あまり気づいていないということです。

私たちは“自分のことは自分が一番よく知っている”と思いがちですが、実はそう思えない例がたくさんあります。例えば、相手が口に出した多くの言葉の中で、たった一つの言葉にカチンときて「あの人はこんなつもりに違いない」と決めつけてしまう、という経験は少なからずあると思います。「どうしてあんな事になってしまったのだろう」とか「そんなつもりはなかったのに」というようなこともあるのではないでしょうか。そのような場面では多くの場合、その時々の自分自身や相手、あるいはその状況に気がつかない結果だと言えます。そして職場においては、それがパワハラに相当するということがあり、その結果、職員の離職につながることにもなり得ます。

円滑なコミュニケーションなくしてパワハラは予防できません。まず職場のコミュニケーションは良好か?部署間の対立はないか?離職率は高くないか?何かしら当てはまるのであれば、チームビルディングから始めましょう。そして、人はなぜ怒りの感情を持つのか?それをどう扱うのかというのは、アンガーマネジメントを知ると「なるほど」と思われるでしょう。パワハラがいけないのは誰でもわかっていることですが、なぜなくならないのか?恐らく「こんなことがパワハラになる?」ということも原因だと思われます。

正しい知識を共有し、働きやすい職場を構築する必要が、今こそ求められているのではないでしょうか。


箕輪由紀子(みのわ ゆきこ)
フェリス女学院大学 文学部英文科を中退し、日本航空に入社後、客室乗務員として16 年間勤務 (客室責任者、客室訓練部教官、客室乗務員採用面接官等経験)した後、JALウェイズで契約制客室乗務員として6 年半勤務する。その間、3年半新宿の病院で受付として勤務したのち、2006 年 10 月 戸田中央医科グループ 本部人事部に入職し、教育研修インストラクター(教育研修担当)として2019年12月末まで勤務した。 在籍中、グループ外での研修も含め研修回数900回以上、受講者約36,000名を数える。


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