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パネルディスカッションでのご質問「特定行為研修を受けた看護師と一般の看護師との違いは?」

time 2018/07/22

パネルディスカッションでのご質問「特定行為研修を受けた看護師と一般の看護師との違いは?」

【特定看護師と診療看護師の違いと資格取得の過程 篠﨑真弓】

11.パネルディスカッションでのご質問

先日、日本クリティカルケア看護学会学術集会で、
特定行為に関するパネルディスカッションが行われ、
その中で特定行為研修を受けた看護師と一般の看護師との違いは何かと質問が出ておりました。

特定行為研修を受けた看護師は、
患者の状態変化(急変)の際に臨床推論を活かして患者の状態観察を行い、
その考察を合わせて医師に報告している旨が返答されました。

『臨床推論』、ここ数年看護系雑誌にもよく掲載されています。
臨床推論の定義は

「患者の生じた健康問題を明らかにし、どのように対応をすべきか意思決定するために、問題点を予測し、論じること」

といわれており、医師が診断や治療を決定するために行う思考プロセスです。
そのプロセスには、
「問題(患者の主訴)の同定」→「情報収集(医療面接・身体診査)」→「仮説設定(鑑別診断リストを挙げる)」→「仮説検証(診査や検査所見分析)」→「解決策の利用」を繰り返していく方法や、
パタン認識で何が起こっているのかに予測をつけ、
病態生理でメカニズムを考え、判断根拠について論理的に考察(論理的推論)するという方法など、様々あります。

看護師が行う臨床推論は診断をつけるわけではありませんが、
患者の状態を的確に把握するために臨床推論を取り入れて行こうという目的です。

臨床推論を行うことで緊急度や重症度が判断でき、
タイムリーでより良い看護ケアが提供できるのではないでしょうか。

では特定行為研修を受けた看護師の臨床推論は、
一般の看護師の臨床推論とどのような違いがあるのかといいますと、
医師側の臨床推論を行っているという点です。
診断学や疾病論も学びつつ、
鑑別疾患のリストに「最もそれらしい病気」「見逃したら命を落とす病気」などを挙げ、
「頻度」と「重大性」を軸(テーブル)に表し、
「病気があることを示唆する所見」「病気がないことを示唆する所見」「重大な疾患を示唆させる兆候の有無」などを検証しています。

そのため医師への報告の際に、
「患者の状態変化がどのような可能性(原因)があり、どこまで検証できているのか」
というような事を伝えられるという違いがあります。

次回は、看護師が行う臨床推論についてお話させていただきます。

参考文献
大西弘高. The 臨床推論. 南山堂.2012.東京.

【前回記事】 在宅診療医との連携で考えたいこと

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プロフィール
篠﨑 真弓
略歴
1994年 日本医科大学付属病院 入職 (看護係長まで務めるが、大学院進学のため退職)
2011年 東京医療保健大学大学院 看護学専攻 高度看護実践コース入学
2013年 東京医療保健大学大学院 看護学専攻 高度看護実践コース修士課程卒業
2013年 日本医科大学武蔵小杉病院 入職
(診療看護師として研修後、循環器内科心不全ケアチームや救急外来でのトリアージなどを行う)
2017年 日本医科大学看護専門学校 異動 基礎看護学担当講師
現在に至る


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