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【特定看護師と診療看護師の違いと資格取得の過程 篠﨑真弓】3.診療看護師の活動① ~診療看護師になってよかったと実感した時~

time 2018/02/25

【特定看護師と診療看護師の違いと資格取得の過程 篠﨑真弓】3.診療看護師の活動① ~診療看護師になってよかったと実感した時~

今回は、私が初診外来に勤務していた時の話です。

内科医が初診外来の当番の日に、30代男性(A氏)が腹痛のため救急車で搬送されてきました。A氏は意識清明でバイタルサインも正常でしたが、顔色が蒼白気味で少し違和感がありました。ただの腹痛ではないかもしれないと考え、腹痛の経緯を詳しく聴取したところ、腹部の打撲痕は認められませんでしたが、前腹部の鈍的外傷によるものであることが判明。

A氏は受傷後自力で帰宅しましたが、腹痛が治まらなかった為救急要請をしたという事でした。検査オーダーを立てている医師に腹痛の経緯を説明し、静脈ラインの確保と外液補充の開始、同時に輸血を想定した採血を行う旨も医師に報告しました。そしてモニタリングの開始や酸素投与の準備を外来看護師と分担しつつ、CT室へA氏を搬送。撮影中のCT画像で腹腔内に多量の出血を認めたため、この出血量では外来とCT室を往復している時間がないかもしれないと思い、直ちに医師と連絡を取り、このまま続けて造影CTを行い出血源の検索ができないかと相談しました。

医師がCT画像を確認しながら造影CTのオーダーを立てている間に、外来看護師へもA氏の状況や転科の準備などを伝え、迅速な対応ができるよう手配しました。A氏はCT撮影後より徐々に脈拍が60台/分→80台/分へと上昇してきており、意識レベルや脈拍以外のバイタルサインの変動はありませんでしたが、検査や診断が遅れていくと出血性ショックに陥ることが推測されました。幸いなことにA氏はショックに陥る前に救命救急センターで緊急手術を受けられ、無事に退院されました。

A氏の顔色から何か変だという事に気づき、診療看護師としてのスキルを活かし、迅速な検査・診断につなげることができました。医師や看護師との連携も功を奏し、急変する前に治療が開始され、診療看護師になってよかったと実感した場面でした。

~スピンオフ~
看護管理者サイトをご覧いただいている皆様は、この話の中にシステムの問題もありそうだという事に気づかれたのではないでしょうか。

その通りです。

『内科医が持ち回りで初診外来を担当し、初診の患者を診察しながら救急車(2次救急)の対応をする』という事に限界がありました。そこで救命救急科の医師たちが、この事例から『2次救急は全て救命救急科でファーストタッチをする』と手上げをしてくださり、救急外来(2次救急車対応)を新たに設ける事になっていきました。

【前回記事】 2.特定看護師と診療看護師の違いについて

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プロフィール
篠﨑 真弓
略歴
1994年 日本医科大学付属病院 入職 (看護係長まで務めるが、大学院進学のため退職)
2011年 東京医療保健大学大学院 看護学専攻 高度看護実践コース入学
2013年 東京医療保健大学大学院 看護学専攻 高度看護実践コース修士課程卒業
2013年 日本医科大学武蔵小杉病院 入職
(診療看護師として研修後、循環器内科心不全ケアチームや救急外来でのトリアージなどを行う)
2017年 日本医科大学看護専門学校 異動 基礎看護学担当講師
現在に至る


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